生物多様性条約・名古屋議定書に係るセミナーを開催しました。

 琉球大学は、7月13日及び14日に「遺伝資源と法規」をテーマに生物多様性条約・名古屋議定書に係るセミナーを開催しました。

 講師として国立遺伝学研究所知的財産室ABS学術対策チームリーダーの森岡一氏をお招きし、生物多様性条約(1992)の下、「名古屋議定書(2010)」が合意され、遺伝資源へのアクセスとそれによって得られた利益を提供国と利用国とで分け合うという条約の目的(ABS:Access and Benefit Sharing)に実効性を持たせるための適切な国内措置を講じる事が求められていること、これからの学術機関は、学術研究における「遺伝資源へのアクセスと利益配分」について正しく理解し、海外から遺伝資源を持ち込む場合に必要な相手国の法令等を事前に確認し、適切な手続きを講ずる必要があること等の説明がありました。

 セミナーは、2日間開催し、1日目は基礎編として、各種法令、ガイドラインの説明とともに、遺伝資源の持ち出し・持ち帰りには、提供国との事前同意(PIC)の取得及び提供者との相互合意(MAT)を行う必要があること、また政府の監視に基づいた、国際遵守証明の取得が今後様々な場面で求められてくること等について講義を実施しました。

 セミナー2日目は応用編として、基礎編で学習した内容を振り返りながら、遺伝資源の持ち出し・持ち帰りに関する具体的な事例を講師が挙げ、それに必要な手続き等を出席者が回答するという演習形式の講義を実施しました。

 セミナーには、延べ129名の学生、教員、事務職員が参加し、講師に熱心に質問する姿が見られるなど、同手続き等の法令遵守に関する意識の高さが伺えました。

<講師の森岡 一(もりおか はじむ)氏>

 

<セミナーの様子>